『ファクトフルネス』感想メモ、今のところ微妙

 

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

 

 

 

イントロダクション、1章「分断本能」

気になったとこ

・レベル1が10億人?

低所得国に住んでいる人は世界の9%、と言った直後にレベル1の生活の人が10億人(世界人口70億として、9%を明らかに超えている数字)と述べる。

読者、少なくとも自分は混乱した。数字は細かすぎても困るが、読んでて混乱しない程度に正確にしてほしい。

 

低所得、貧困への質問は回答者のイメージに依拠しており、例えばレベル1(仮に10億人)のみを低所得とみなすのか、レベル1-3(60億人)を低所得とみなすのかで答えは変わる。後半の「上からの景色」でこの点も問題提起しているが、後出し感がする。

 

低所得や所得レベルの定義説明より前に読者への質問を投げており、筆者独自のカテゴライズで正誤を設定している。恣意的な印象が否めない。

 

チンパンジーを例に出す意味

回答選択肢の数が3つの正答率がランダムだと33%であることを示すだけなのに、わざわざチンパンジーにバナナ選ばせる意図は何か。サイコロでもなんでもいいはずなのに。

高学歴な経済専門家と比べて注意を引いたり、読者を挑発したりする意図も感じる。

 

 

・ところどころでにじむ論破厨な感じ

「でも、あなたは完全に間違っていますよ」「世界銀行と国連がまとめた、異論の余地がないデータです。わたしは正しい。間違っているのはあなただ」

-> 統計元を比較する、疑う、批判するとかの態度が薄そう。

 

4章、恐怖本能

このような化学物質の話は、エリートたちの酒の肴にされるようだ。その食べ物のせいで亡くなった人はいないのに、赤ワイン片手に「怖いねえ」と語ったりする。

-> エリート嫌いのポピュリストなの?って思われそうなのでわざわざこういう書き方しなくてもいいと思う。

 

・文章の構成に違和感

テロ事件の数は世界中で増え続けている。しかし、レベル4の国に限っては、実はテロの数は減っている。2007年から2016年のあいだに、レベル4の国では1439人がテロ事件で亡くなった。しかし、その前の10年間には、4358人もの人がテロで亡くなっている。ちなみにこの期間には、2996人が亡くなった史上最大のテロ事件、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件が含まれている。

それを除いたとしても、レベル4の国でのテロの犠牲者は、過去10年とその前の10年の間でほとんど変わっていない。一方、レベル1、2、3の国においては、...

レベル4の国でテロが減っていることを強調したい文脈で、911の数字を「除いたとしても」、という論理展開はおかしくないか?翻訳ミス?